Blogカジノに関する雑記
「カジノで1億勝負する粗品」の動画を数学的に検証してみた
2024.08.17
2024年7月18日にYoutubeで
「カジノで1億勝負する粗品」という動画が公開されました。
パラダイスシティのプロモーション動画で、ギャンブル好きとして知られる芸能人の粗品さんが公開したものです。
こちらの動画は脚本、やらせの無い動画、ということになっているのですが、
「はたして本当に脚本は無いのか?」という疑問があったので、
気になった部分を検証していきたいと思います。
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①そもそもデモプレイ&脚本が前提である可能性について
パラダイスシティでのカジノ動画で、著名人が登場するものとしては
ヒカルさん
朝倉未来さん
の両氏が有名です。
ネタバレになりますが、2人とも最終的にバカラで数千万円~1億円ほどを獲得して動画が終了します。
ですが派手な換金シーンや現金を並べるようなシーンは無く、テーブルでチップを受け取ったまでの描写しかありません。
エンディングとしてこういった派手な部分を見せたい、と考えるのが制作サイドとしては人情かと思います。
では何故それをやらないのか。
それは実際にはお金が動いていないデモプレイであるから、という推測です。
仮に動画内でのチップのやり取りがデモプレイであったとするならば、受け渡しシーンのためだけに何千万単位のお金を用意することが、
カジノ側のシステム上またはセキュリティ上難しいのためだと考えると説明がつきます。
また、お金をかけてプロモーションをした結果、
内容の薄い動画になってしまってはプロモーションの意味を為しません。
例えば、「開始早々に連敗して終了」や「勝ったり負けたりの繰り返しで山場が無い」
といった内容ではまったく面白い動画にはなりません。
実際に各Youtuberの動画にも、見せ場となるシーンが含まれています。
「脚本がある」というのは悪いことではなく、むしろビジネス的には当然である、と考えます。
このような過去の複数の動画での疑問点を考慮するに、
「有名人を使ったパラダイスシティのプロモーションにはデモプレイであり、脚本が存在するのではないか」
というのが私の見解です。
②粗品さんが演技している可能性について
脚本が存在するとした場合、粗品さんはすべてのゲームに関して事前に内容を把握していたことになります。
そういった疑いの目で彼の動向を見てみましたが、
身振り等からは演技っぽさは感じられませんでした。
ただ芸能人ですので、演技・演出については慣れているであろうことを考えると、
この点については「どちらとも言えない」として判断を保留します。
③勝敗およびプレイヤー/バンカーの発生率の検証
カードの並びに作為があったとして、
念のため勝率やプレイヤー/バンカーの発生率も確認したいと思います。
上記の図のように、粗品さんの勝率はほぼ50%、
プレイヤー/バンカーの発生率もほぼ50%なのでこの勝敗の発生率に関しては作為はなさそうです。
④22戦目のペア的中時の確率検証
私がこの動画でもっとも着目しているのが22戦目でペアにベットした際に、
7・7のペアを的中させた部分です。
その前の21戦目までの間に消費されたカードの枚数はバーニングカードの2枚を含め110枚です。
その中で7が出現したのが1回だけなので、これは極めて稀な状況です。
使用カードについては8デッキ使用していると動画内で明言されていたので、
総カード枚数は52×8=416枚。
7はその中に4×8=32枚含まれています。
この前提条件で
「110枚カードを引き、7が一回しか出ない確率」を計算しましたが、
若干自信がなかったのでXのAIサービスであるGrokで検算してみました。
※バーニングカードとして伏せられているカードは「7以外」として計算しています。
なぜか最後は計算してくれませんでしたので、エクセルで計算したところ約0.14%となりました。
さらにこの条件下の22戦目で「7・7のペアが発生する確率」は、ざっくりですが、
(31÷306)×(30÷305)≒0.099となり約1%です。
※大きく結果は変わらないとの判断で連続してカードを引いた前提で計算しました
※あくまで7・7のペアです。他のカードでペアができる可能性はここでは考慮しません
カード全く消費していない場合の初期状態での7・7のペアの発生確率は約0.6%なので、
確かにシューボックス内に7が眠っている確率は高く、通常よりは約0.4ポイント高まっていますが、それでも1%ほどしかありません。
プレイヤーのペアとバンカーのペアに2点張りしているので、
単純に2倍、ではないものの、概算ではほぼ倍の約2%が期待値になると思います。
・110枚のカード消費時に、7が1回しか出現していない確率⇒約0.14%
・そこから7・7のペアを2点張りで引く⇒約2%
という条件は確率的にはかなり厳しいものとなります。
この2つの条件の掛け合わせは0.14%×2%=0.0028%であり、
この結果が撮影時に都合よく出現する可能性は数学的に極めて低く、どうしても脚本の存在を疑ってしまうのです。
※もちろん7以外の数字(1、2、3、4、5、6、8、9、10、J、Q、K)でもこの状況は成立するので、
近似する状況が発生する確率にはもう少し高いものにはなります。
ただ、それでも相当ありえない確率であることは変わらないという認識です。
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以上が私の「カジノで1億勝負する粗品」動画に対する考察です。
別の切り口として脚本家の視点で考えてみると、
・派手な動画にするためにも、ヒカルさん、朝倉未来さんと同じ1億くらいの勝負には見せたい
・しかしながら粗品さんのお金がないキャラクターを考えると、開始時のバンクロールはせいぜい1000万円が妥当
・となると「ペア11倍(もしくはタイの8倍)で所持金を大幅に増やす」というプロセスはどうしても必要
・粗品さんというキャラクターを踏まえても最後は負けて終わらせたい
となるのではないでしょうか。
起:フラットベットで様子見
承:実はカウンティングでペア狙い、見事的中
転:倍々で1億まで伸ばす
結:裏をかいて1億以上を得ようとするもすべてを失う
というようにシナリオとしては非常に綺麗な構成になっています。
動画の再生数的にも伸びているようなので、脚本があったにせよ無かったにせよ、
マーケティングとしては大成功だったのは間違いないでしょう。
正直色々と考察はしてみたものの、エンタメとしては素晴らしい動画だったので、
是非2弾、3弾と続編を期待しています。
