Blogカジノに関する雑記


『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』のレビュー
2024.06.01



世界のランドカジノを巡り、ブラックジャックで合計8億円を稼いだ方の自叙伝です。


野口 健司
『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』



著者は1973年生まれ、カジノで稼いだのは20代の頃、つまり1990年代から2000年代前半頃のお話です。
カジノ側のカウンティング対策などがまだ十分ではなかった時代、著者は世界のカジノを飛びまわり、
ものすごい勢いで大金を稼いでいきます。
今からこのやり方をそっくり真似したいところですが、カウンティング対策バッチリな今日のランドカジノでは、
同じ方法で8億円稼ぐのは不可能に近いでしょう。

これだけ聞くと、著者は時代に恵まれた、運が良かっただけだと感じる方もいるかもしれません。
しかし、彼は運だけでこの結果を得たわけではありません。
著者は、子供のころからコーラの瓶集めをしたり、ゲームのコピーを売ったり、パチンコの研究をしたりして、
お金を稼ぐことに対して一貫して積極的でした。
(このあたりはバフェットにも通じるものがありますね)
高校時代には友人と一緒にラスベガスに渡り、日本では入手できないカウンティングの本を購入し、実際にカジノでプレイもしています。

そして成人後は一人で車を運転しながらアフリカ大陸のカジノを巡り、その途中で投獄され、
しかし何とか工夫してそこから抜け出す…というように、成功する人特有の極端なエピソードに溢れています。
もし同じ時代に生まれたとしても、これだけの行動を起こせる人は極めて稀ではないでしょうか。

私が同じようなことをするのは、強烈すぎて絶対に無理ではありますが、
少しでもその行動力は見習いたいところです。

巻末には、前述した高校時代からの友人が自殺してしまうくだりがあります。
彼もまた多額のお金を持っていた人なのですが、その一方で極度の人間不信に陥っていたようです。
私は、よりたくさんのお金をどう得るかということを日頃から意識して生きています。
ですがその一方で「お金を得たその先には何があるのか」、ということもよく考えてしまいます。
お金は大事ですが、それが全てではないことも理解した上で、バランスよく生きていければ良いですね。

最後に繰り返しますが、今本書に書かれている手法をそのまま使っても、同じようにカジノで8億円を稼ぐことはできません。
ですが本書には、チャンスをしっかりつかんで、人生を豊かにする為の示唆が溢れています。
良書ですので、是非手に取っていただきたい一冊です。